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鬱ゲー12本|重さの種類で選ぶエロゲ

重い作品を探している人のための記事だ。感想でくり返し名前が挙がる12本を集めた。

順位を決める記事ではない。ひとくちに「鬱ゲー」と言っても、人間関係が壊れていく重さと、当たり前の日常が崩れていく重さと、理不尽に叩きのめされる重さはまるで別物で、求めているものも違う。そこで12本を、重さの種類ごとに4つの棚へ分けた。棚のなかは原作の発売年順に並べている。

この記事はネタバレを書かない。鬱ゲーは何が起きるかそのものが値打ちなので、書くのは「どんな重さか」「物語の入り口」「舞台がどこか」までにとどめている。結末も、有名な衝撃の場面の中身も出てこない。安心して最後まで目を通してほしい。

この記事で扱う12本

作品名 ブランド 重さの種類
2001 君が望む永遠 〜Enhanced Edition R〜 aNTIQ 人間関係がこじれる
2005 School Days REMASTERED オーバーフロー 人間関係がこじれる
2011 WHITE ALBUM2 リーフ 人間関係がこじれる
2003 沙耶の唄 ニトロプラス 日常が崩れる
2004 何処へ行くの、あの日 MOONSTONE 日常が崩れる
2006 その横顔を見つめてしまう 〜A Profile 完全版〜 あかべぇそふとつぅ 日常が崩れる
2005 SWANSONG フライングシャイン 抗った先の代償
2006 マブラヴ オルタネイティヴ aNTIQ 抗った先の代償
2009 装甲悪鬼村正 ニトロプラス 抗った先の代償
2001 銀色 完全版 ねこねこソフト 報われないまま終わる
2007 キラ☆キラ OVERDRIVE 報われないまま終わる
2014 紙の上の魔法使い ウグイスカグラ 報われないまま終わる

同じブランドの作品が2組ある。aNTIQ(アージュ)の2本と、ニトロプラスの2本だ。どちらの組も重さの質が違うので、別の棚に分けて置いた。

棚1|人間関係がこじれて壊れていく重さ

登場人物が誠実であろうとするほど、関係がほどけなくなっていく3本。幽霊も怪物も出てこない。生きている人間どうしの感情だけで追い詰めてくる側の重さだ。

2001年君が望む永遠 〜Enhanced Edition R〜

君が望む永遠 〜Enhanced Edition R〜
項目内容
ブランドaNTIQ
原作の発売日2001-08-03
FANZA配信日2025-12-19
ジャンル表記(FANZA) 恋愛/デモ・体験版あり/シナリオがいい/アニメ化/三角関係/学園もの/アメトーークCLUB「エロゲーム大好き芸人」で紹介
FANZA商品名 君が望む永遠 〜Enhanced Edition R〜

どんな話か

高校最後の夏、主人公は同級生と付き合い始める。ところが待ち合わせの日、彼女は事故に遭い、そのまま目を覚まさなくなる。物語が本格的に動くのは、そこから3年が過ぎたあとだ。立ち直るまでの彼を支え続けたのは、親友だった女性である。やがて二人は深い関係になる。そこへ、眠っていたはずの彼女が帰ってくる。当時のこの分野が正面から扱ってこなかった三角関係へ踏み込んだ作品で、のちにテレビアニメにもなった。

どんな重さか

誰か一人を選べば、必ず別の誰かが深く傷つく。この逃げ道のなさが作品の芯にある。三人ともそれぞれの立場で誠実であろうとするのに、関係はほどけないままこじれていく。進めているあいだじゅう胸が締めつけられた、終えたあともしばらく引きずったという言葉が並ぶ。人の生死で重くするのではなく、生きている人間の関係だけで追い詰めてくるところが、この作品の恐ろしさだ。

何が評価されているか

三角関係を描いた金字塔として、いまも真っ先に名前が挙がる。ヒロインたちの造形、揺れ動く心理を逃げずに書ききった筆致、そして評価が真っ二つに割れる主人公。弱さも身勝手さもそのまま書かれているからこそ、誰が正しかったのかという話が今日まで続いている。泣いたという声も多く、鬱ゲーであると同時に泣きゲーの代表としても挙がる一本だ。

こんな人に向く:逃げ場のない三角関係を最後まで見届けたい人。人の死ではなく、生きている関係の痛みで揺さぶられたい人。

版の案内:FANZAで配信されている『Enhanced Edition R』は、2025年11月に出たばかりの最新版だ。『Latest Edition』の中身を土台に、いったん差し替えられていた成人向けの場面へ手を入れて戻してあり、短編集『〜another episode collection+』も収まっている。Windows11に対応しているので、2001年の作品でありながら今の環境でそのまま動く。この版から入って問題ない。

同じブランドの作品:後述の『マブラヴ オルタネイティヴ』も同じアージュの作品だ。物語は別なので、どちらから手に取っても構わない。

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2005年School Days REMASTERED

School Days REMASTERED
項目内容
ブランドオーバーフロー
原作の発売日2005-04-28
FANZA配信日2025-12-19
ジャンル表記(FANZA) ハーレム/サイコ・スリラー/恋愛/ブラウザ対応/シナリオがいい/三角関係/学園もの/ダーク系
FANZA商品名 School Days REMASTERED

どんな話か

学園を舞台に、主人公と二人のヒロインが三角関係へ入っていく。選んだ選択肢で道が枝分かれし、行き着く先も大きく変わる。何よりの特徴は見せ方だ。本編はほぼ全編がアニメーションで進む。テレビアニメ数十話ぶんに相当する量が作られており、文章を追うのではなく、動く画面と声で物語を受け取っていく。12本のなかで、この形式はこの一本だけだ。

どんな重さか

重さの中心は修羅場と、選んだ行動がそのまま跳ね返ってくることにある。感情が抑えを失い、関係が手のつけられないところまで転がっていく。用意された結末はいくつもあり、そのなかには後味の悪さで語り草になっているものが含まれる。何が待っているかはここでは書かないが、軽い気持ちで進めると足をすくわれる作品だ。

何が評価されているか

まず、全編をアニメーションで押し切った作りそのものが評価されている。動きと声で見せるぶん、感情の高ぶりが直接ぶつかってくる。ヒロインの造形も強く支持されており、思い詰めた気持ちがそのまま行動に出る人物像は、この作品の代名詞になった。刺激の強さで話題にされがちだが、展開が最後まで飽きさせないという声も並ぶ。

こんな人に向く:動く画面で物語を浴びたい人、自分の選択が突き刺さってくる作りを求める人。

版の案内:PC版のあと、移植と追加を重ねてきた作品だ。FANZAで配信されている『REMASTERED』は、最新のWindowsに対応させた版にあたる。

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2011年WHITE ALBUM2

WHITE ALBUM2
項目内容
ブランドリーフ
原作の発売日2011-12-22
FANZA配信日2018-02-14
ジャンル表記(FANZA) 恋愛/シナリオがいい/アニメ化/三角関係/学園もの/演出がいい/音楽がいい/歌/泣きゲー/冬が舞台のゲーム
FANZA商品名 WHITE ALBUM2【Windows10対応版】

どんな話か

2007年の秋、高校の軽音同好会を立て直し、学園祭の舞台に立とうとする三人がいる。物語はそこから始まる。主人公たちが大学生になり、社会人になっても、この三人の関係は終わらずに姿を変えていく。全体は序章と終章の二部構成で、その先にもう一つの章が隠されている。1998年の『WHITE ALBUM』の名を継いでいるが、物語は独立している。前作を知らなくても入れる。

どんな重さか

三人とも、それぞれのやり方で誠実であろうとしている。それなのに、誠実であろうとするほど関係はこじれ、傷が増えていく。しかも時間が解決してくれない。抱えたまま学生を終え、抱えたまま大人になっていくところが、この作品の残酷さだ。進めているあいだ気持ちの休まる場所がなく、体にこたえたという言い方をする人が多い。三角関係の重さでは、先に挙げた『君が望む永遠』と並べて語られる。

何が評価されているか

恋愛のこじれを描いた到達点として名前が挙がる。心の動きが細かく書き込まれ、どちらのヒロインにも肩入れできてしまうところが強く支持されている。音楽の使い方への評価も高く、挿入歌が流れ出す場面の演出は、この作品を語るときに必ず出てくる話題だ。終盤の畳みかけと、そこへ至るまでの長い積み上げが噛み合っている。

こんな人に向く:恋愛のこじれを最後まで見届けたい人、音楽と演出ごと感情を持っていかれたい人。

収録範囲の案内:FANZAのDL版には序章と終章の両方が入っている。その先の最終章も隠しルートとして収められているので、この1本で最後までたどり着ける。

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棚2|当たり前だった日常が崩れていく重さ

平凡な毎日から始まり、足元のほうから崩れていく3本。事件が外から降ってくるのではなく、いつもの景色のほうが意味を変えていく。派手に殴るのではなく、静かに効いてくる側の重さだ。

2003年沙耶の唄

沙耶の唄
項目内容
ブランドニトロプラス
原作の発売日2003-12-26
FANZA配信日2017-04-28
ジャンル表記(FANZA) サイコ・スリラー/恐怖・ホラー・伝奇物/フェラチオ/恋愛/デモ・体験版あり/人外/バイオレンス/世界観がいい/ミステリー/シナリオがいい/サスペンス/音楽がいい
FANZA商品名 沙耶の唄 Nitro The Best! Vol.2 Windows 10対応版

どんな話か

事故のあと、医大生の主人公が目を覚ますと、世界の見え方が変わっていた。街も、見知った人の顔も、視界に入るものすべてがおぞましい姿になって映る。その世界でただひとり、人の形を保って見えたのが沙耶という少女だった。物語はそこから動き出す。1周は5時間ほど。12本のなかでいちばん短い。

どんな重さか

この作品の重さは、取り返しがつかないという一点にある。主人公の置かれた状況は本人の努力でどうにかなるものではなく、進むほど引き返せなくなる。目を背けたくなる描写もはっきり出てくるので、そこは覚悟がいる。裏を返せば、短いぶん一気に終えられる。鬱ゲーは長くて手が出ないと思っている人には、ここから入る手がある。

何が評価されているか

恐ろしい設定を土台にしながら、多くの人がこの作品を「純愛」と呼ぶ。プレイし終えたあとに残るのは嫌悪よりも一途な感情のほうだ、という語られ方をする。短い尺のなかに世界と構成を詰め込んだ密度、音楽と絵の作り込みも評価されている。終わったあとの余韻が長く尾を引く一本だ。

こんな人に向く:短時間で強い一撃を受けたい人、恐怖と愛情が同居する物語に惹かれる人。

同じブランドの作品:後述の『装甲悪鬼村正』も同じニトロプラスだが、重さの質はまるで違う。こちらは短く鋭く、あちらは長く重い。

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2004年何処へ行くの、あの日

何処へ行くの、あの日
項目内容
ブランドMOONSTONE
原作の発売日2004-06-25
FANZA配信日2010-02-18
ジャンル表記(FANZA) 幼なじみ/恋愛/デモ・体験版あり/ファンタジー/シナリオがいい/学園もの/ダーク系/妹/音楽がいい/姉・妹/ドラッグ
FANZA商品名 何処へ行くの、あの日

どんな話か

主人公は、ひとりの少女を手にかけたという記憶と、その場面をくり返し見せる悪夢を抱えたまま学園に通っている。そんな彼の手に、過ぎた時間へ戻れる薬が渡る。彼はそれを使い、選ばれずに消えたほうの世界へ手を伸ばしていく。いくつもの時間と、起こりえた別の可能性が絡み合う構成だ。妹ものの体裁をとりながら、その枠組みを裏切っていく作品でもある。

どんな重さか

やり直せる手段があること自体が、この作品では救いにならない。戻れば戻るほど、後悔の輪郭がはっきりしていく。全体を包んでいるのは、寒々しく空虚な空気だ。強い刺激で叩きのめす作品ではない。時間をかけて少しずつ気を滅入らせていく方向の重さである。

何が評価されているか

12本のなかでは名前を聞く機会が少ないほうだが、触れた人からの評価は高い。中心にあるのは物語の組み立てと、それを支える設定だ。プレイし終えてから全体を組み直したときに像が結ぶ作りで、そこに価値を置く声が集まる。ヒロインの存在感と、終盤へ向かう運びも支持されている。

こんな人に向く:知られていない一本を掘り当てたい人、終えたあとに考える余地のある構成を好む人。

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2006年その横顔を見つめてしまう 〜A Profile 完全版〜

その横顔を見つめてしまう 〜A Profile 完全版〜
項目内容
ブランドあかべぇそふとつぅ
原作の発売日2006-03-24
FANZA配信日2016-08-10
ジャンル表記(FANZA) 制服/幼なじみ/恋愛/デモ・体験版あり/キャラクターがいい/シナリオがいい/学園もの/妹/音楽がいい/泣きゲー/姉・妹
FANZA商品名 その横顔を見つめてしまう 〜A Profile 完全版〜

どんな話か

主人公は、義理の妹と、その母親との三人で暮らしている。素っ気ない同級生、幼なじみ、気のいい悪友に囲まれて、平凡な毎日を送っている。ところがある朝、学校へ着くと、周りの人間が自分へ向ける目つきと態度が変わっていた。そこから、彼らが何を隠してきたのかが、少しずつ明るみに出る。もとは同人作品として世に出たもので、それを作り直したのが本作にあたる。

どんな重さか

日常の側から静かに崩れていくのが、この作品の重さだ。人物たちは口に出さない事情を持っていて、それが一つ知れるたび、足場が一段ずつ外れていく。血が流れる話ではないのに、進むほど精神的にこたえる。派手さで殴ってくるのではなく、当たり前だった毎日のほうが形を失っていく。

何が評価されているか

評価の中心は物語と人物にある。とくに主人公への支持が厚い。まっすぐさと心の強さで前に立ち続ける姿が忘れられないと語られる。泣いたという声も多く、音楽と場面の合わせ方、無駄なく進むテキストも評価されている。一気に終えられる長さなので、手を出すときの気構えもいらない。

こんな人に向く:静かに足元が崩れる感覚を味わいたい人、人物の内面を掘り下げる物語を求める人。

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棚3|抗った先に代償が残る重さ

理不尽な状況に投げ込まれ、それでも抗おうとする人たちを描いた3本。努力や覚悟が報われるとは限らず、前へ進むたびに何かを差し出すことになる。感情のもつれではなく、状況そのものに叩きのめされたい人向けだ。

2005年SWANSONG

SWANSONG
項目内容
ブランドフライングシャイン
原作の発売日2005-07-29
FANZA配信日2012-06-01
ジャンル表記(FANZA) サイコ・スリラー/恋愛/デモ・体験版あり/辱め/キャラクターがいい/シナリオがいい/ダーク系/複数視点/冬が舞台のゲーム
FANZA商品名 SWANSONG

どんな話か

クリスマスの夜、山あいの街を大きな地震が襲う。崩れた建物と積もる雪に閉ざされたなか、生き延びた若者たちが教会で顔を合わせる。その後は学校に設けられた避難所へ移り、そこでの共同生活が始まる。外との連絡は途絶え、食料も燃料も細っていく。同じ場所に集まった人々のあいだで摩擦が生まれ、少しずつ何かが狂い出す。視点を人物から人物へ移しながら進む群像劇だ。

どんな重さか

描かれるのは、秩序が消えた場所で人がどこまで人でいられるかという問いである。飢えと寒さと恐怖のなかで、登場人物たちは順に本性をさらしていく。醜さから目を逸らさずに書かれているぶん、進めるのに体力がいる。それでもこの作品は、そこで終わらない。人の底を見せたうえで、なお前へ進もうとする姿まで書ききる。

何が評価されているか

まず文章の力が挙がる。淡々とした語り口が極限の状況と噛み合い、視点が切り替わるたびに人物の内側が開いていく。終盤と結末への評価が高く、終えたあとに重い余韻が長く残ったと語られる。登場人物それぞれに愛着を持ったという声も多い。人の暗い側を描きながら、最後に受け取るものがある。そこが強く支持されている。

こんな人に向く:極限状況の群像劇を求める人、人の底を見たうえで残るものを確かめたい人。

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2006年マブラヴ オルタネイティヴ

マブラヴ オルタネイティヴ
項目内容
ブランドaNTIQ
原作の発売日2006-02-24
FANZA配信日2025-02-07
ジャンル表記(FANZA) バトル/SF/近未来/シナリオがいい/アニメ化/学園もの/熱いゲーム/演出がいい/音楽がいい/泣きゲー/アージュメモリアルバンドル
FANZA商品名 マブラヴ オルタネイティヴ

どんな話か

人類が地球の外から来た敵に敗れる未来を経験した主人公が、その記憶を抱えたまま並行世界の過去へ戻る。先の展開を知る者として歴史を変えようと、彼は人型兵器の操縦者となって戦場に立つ。前作『マブラヴ』の続きにあたり、学園ものとして始まった物語が、ここで戦争へ振り切れる。

買い方の案内:本作は前作をプレイしていることを前提にしている。公式も前作から進めるよう案内しており、単体では話の背景がつかみにくい。『マブラヴ』から順に手に取りたい。

どんな重さか

戦争が主題なので、人が失われる。しかも、覚悟や努力が結果に結びつくとは限らない形で失われていく。理不尽な喪失が積み重なり、それでも主人公は前へ進むしかない。終えたあともしばらく引きずったという声が並び、心に刻まれた作品として名前が挙がり続けている。

何が評価されているか

この分野全体の代表作として真っ先に名前が出る一本だ。細部まで組み上げられた世界と設定、そこで戦う人物たちの生き様、終盤へ向けて加速していく物語。号泣したという声、いまだにこれを超える作品に出会っていないと語る声が並ぶ。重さと熱さが同時に来るところが、ほかの11本と違う。

こんな人に向く:長大な物語に丸ごと持っていかれたい人、重さと熱さを一度に浴びたい人。

同じブランドの作品:先に挙げた『君が望む永遠』と同じアージュの作品だ。あちらは人間関係の重さ、こちらは状況の重さで、味わいは大きく違う。

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2009年装甲悪鬼村正

装甲悪鬼村正
項目内容
ブランドニトロプラス
原作の発売日2009-10-30
FANZA配信日2016-07-29
ジャンル表記(FANZA) CGがいい/バトル/時代モノ/世界観がいい/SF/近未来/キャラクターがいい/シナリオがいい/ダーク系/演出がいい
FANZA商品名 装甲悪鬼村正 Windows 10対応版

どんな話か

舞台は、史実とは違う道を進んだ日本だ。大きな戦に敗れて占領下に置かれ、幕府が実権を握っている。ここでは劔冑(けんちゅう)という超常の鎧をまとった武者たちが世を支配しており、主人公が身につけた劔冑・村正には「善悪相殺」の理が課されている。善をなせば、その分だけ悪を負わねばならない。英雄譚ではないと作品自身が掲げるとおり、正義と悪をきれいに分ける物語ではない。

どんな重さか

喪失や悲劇で殴ってくる作品ではない。ここで重いのは、正しさに値札がついていることだ。誰かを救うために刃を振るえば、同じだけの悪が主人公に返ってくる。何を守り、何を切り捨てるのか。選ぶたびに帳尻を合わせる責任がのしかかる。プレイし終えたあと、自分のなかの善悪の線がずれたままになる。そういう種類の重さである。

何が評価されているか

評価は物語と世界の作りに集中している。歴史をずらした設定が細部まで組まれ、そこに硬質な文章と戦闘の演出が乗る。斬り合いの場面の見せ方を挙げる声、悪役まで含めた人物の魅力を挙げる声が重なる。善悪を扱った作品としてこれを物差しに置く人も多く、発売から年月が経ったいまも古びていないと語られる。腰を据えて取り組む長さがあるので、時間を確保してから始めたい。

こんな人に向く:善と悪の線引きを揺さぶられたい人、暗く硬い戦記に長く付き合いたい人。

同じブランドの作品:先に挙げた『沙耶の唄』と同じニトロプラスだ。5時間で終わるあちらに対して、こちらは腰を据える長編である。同じブランドでも受ける衝撃の形が違う。

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棚4|報われないまま終わる重さ

叩きのめされるというより、静かに刺さって抜けなくなる3本。願いは届かず、努力は実らず、それでも登場人物たちは前へ進もうとする。切なさの側に寄った重さだ。

2001年銀色 完全版

銀色 完全版
項目内容
ブランドねこねこソフト
原作の発売日2001-08-31
FANZA配信日2009-05-16
ジャンル表記(FANZA) 和服・浴衣/恋愛/デモ・体験版あり/巫女/世界観がいい/シナリオがいい/ダーク系/音楽がいい/泣きゲー/伝奇
FANZA商品名 銀色 完全版

どんな話か

どんな願いでも叶えるという銀の糸。それを手にした人々の話が、平安の世から現代に至るまで、時代を移しながら並ぶ。章ごとに主人公も土地も変わる短編の集まりでありながら、糸をたどるように互いが結びついている。笑いを持ち込まず淡々と進む本編と、すべてを終えたあとに開くくだけたおまけ。この落差もこの作品の顔だ。

版の案内:2000年に出た本編へ加筆と章の追加を行ったのが『完全版』で、FANZAで配信されているのはこちらにあたる。初めて触れるならこの版でいい。

どんな重さか

願いには必ず対価がついてくる。どの章でも、望みを叶えた人が何を差し出すことになったかが描かれ、明るいほうへは進まない。暗く沈んだ場面が続き、時代をまたいで悲劇が積み重なっていく。ただし、最後まで進めた人からは、終わりにわずかな救いがあったという声も出ている。

何が評価されているか

評価はまず文章に集まる。静かな語り口と言葉の選び方が世界観と噛み合い、章ごとに違う空気を作り出す。音楽と演出、そして各章を終えたあとに残る余韻を挙げる声が重なり、涙が出たという人もいる。ねこねこソフトの名を広めた一本として、いまも名前が残っている。

こんな人に向く:短い悲劇をいくつも重ねて浴びたい人、静かで沈んだ空気に浸りたい人。

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2007年キラ☆キラ

キラ☆キラ
項目内容
ブランドOVERDRIVE
原作の発売日2007-11-22
FANZA配信日2011-04-15
ジャンル表記(FANZA) 幼なじみ/恋愛/デモ・体験版あり/世界観がいい/キャラクターがいい/シナリオがいい/女装・男の娘/学園もの/ダーク系/演出がいい/音楽がいい/部活動
FANZA商品名 キラ☆キラ Windows10対応版

どんな話か

受験を控えながら勉強に身が入らず、その日暮らしを続けていた主人公が、ひとりの少女と出会う。二人が始めたのは、女装したガールズバンドとしての活動だった。家の事情を抱えた幼なじみ、体の弱い令嬢が加わり、文化祭の舞台で手応えをつかむ。やがて彼らはライブハウスへ、そして全国を回る旅へ出ていく。

どんな重さか

12本のなかで、入口がいちばん明るいのがこの作品だ。バンドを組み、演奏し、笑い合う。その調子で進むと思っていると、途中から足元が抜ける。青春の輝きと同じ量だけ、その裏側が書かれている。理不尽も報われなさも、飾らずそのまま出てくる。明るい話だと思って始めた人ほど、深いところまで刺さる作りだ。

何が評価されているか

音楽が作品の芯にある。劇中で演奏される曲とBGMが物語と分かちがたく結びつき、場面の熱を引き上げる。主人公の語りに共感したという声が厚く、飾らない文章がまっすぐ入ってくると語られる。内容は重いのに、最後まで進めたあとには不思議と晴れた気分が残る。そう語る人が重なる一本だ。

こんな人に向く:明るい入口から重さへ落ちる落差を味わいたい人、音楽ごと青春を浴びたい人。

版とシリーズの案内:FANZAで配信されているのはWindows10対応版だ。この本編のあとに続編『キラ☆キラ カーテンコール』があり、そちらは本編を終えてからでいい。

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2014年紙の上の魔法使い

紙の上の魔法使い
項目内容
ブランドウグイスカグラ
原作の発売日2014-12-19
FANZA配信日2019-03-08
ジャンル表記(FANZA) 恋愛/デモ・体験版あり/ファンタジー/世界観がいい/シナリオがいい/学園もの/ダーク系/妹/姉・妹
FANZA商品名 紙の上の魔法使い【萌えゲーアワード2014 ニューブランド賞受賞】

どんな話か

ある島に建つ私設の図書館が舞台だ。そこに置かれた本には意思があり、主人公とヒロインたちは、その本のために物語を演じる立場へ立たされる。願いを一つ叶えてもらう見返りに求められるのは、幻想的で、そして切ない物語である。ウグイスカグラにとっては、これが最初の作品にあたる。それでいて萌えゲーアワード2014のニューブランド賞に加え、金賞まで持っていった。

どんな重さか

本が望んでいるのは切ない物語だ。この一点が、そのまま登場人物たちの行く先を決めていく。誰かが幸せなまま終わることを、作品の仕組みそのものが許していない。報われない。それがこの作品の重さである。叩きのめす種類ではなく、胸の奥に静かに刺さって抜けない種類だ。12本を並べたとき、いちばん切なさ側に立つ一本になる。

何が評価されているか

物語の作りへの評価が突出している。仕掛けを重ね、こちらが予想した方向を次々に外していく運びで、先が気になって手が止まらなくなると語られる。ヒロインの造形も強く、特定の一人を挙げて忘れられないと書く人が並ぶ。絵と音楽が幻想的な世界に合っているという声も重なり、デビュー作でこれをやったという驚きとともに語られている。

こんな人に向く:切なさと報われなさを求める人、物語そのものを主題に据えた作品に惹かれる人。

同じブランドの作品:ウグイスカグラは『水葬銀貨のイストリア』も手がけている。選択が誰かの運命を動かす、こちらも重さのある一本だ。そちらは絵が良いエロゲ8本で扱っている。

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どれからプレイするか

この分野の最初の1本を選ぶなら

2003年『沙耶の唄』。1周5時間ほどで終わり、12本のなかで最も短い。長い作品に取りかかる気力がないときでも選びやすい。

名前をいちばん聞く2本を押さえるなら

2001年『君が望む永遠』と2011年『WHITE ALBUM2』。どちらも三角関係のこじれを描き、この分野の話題では必ず名前が挙がる。まず片方を終えてから、もう片方へ進みたい。

感情のもつれではなく、状況に叩きのめされたいなら

2005年『SWANSONG』と2006年『マブラヴ オルタネイティヴ』。前者は災害で秩序が消えた街、後者は敗色の濃い戦争が舞台だ。

考え込む種類の重さを求めるなら

2009年『装甲悪鬼村正』と2004年『何処へ行くの、あの日』。前者は善悪の線引きを、後者は取り返しのつかない選択を突きつけてくる。

明るい入口から入りたいなら

2007年『キラ☆キラ』。12本のなかでは入口がいちばん明るく、しばらくのあいだ楽しいままでいられる。落差そのものが持ち味だ。

静かな切なさで終わりたいなら

2014年『紙の上の魔法使い』と2001年『銀色 完全版』。派手に打ちのめすのではなく、後を引く痛みを残す2本だ。

プレイする順番があるもの

2006年『マブラヴ オルタネイティヴ』だけは前作『マブラヴ』が必要になる。順番を守ってほしい一本だ。2011年『WHITE ALBUM2』は序章と終章の二部構成だが、1998年の『WHITE ALBUM』は知らなくていい。2007年『キラ☆キラ』の続編『カーテンコール』は本編のあとに。残りは、その1本から入って問題ない。

体験版を試すなら

FANZAの表記で体験版が用意されているのは8本ある。『君が望む永遠』『銀色 完全版』『沙耶の唄』『何処へ行くの、あの日』『SWANSONG』『その横顔を見つめてしまう』『キラ☆キラ』『紙の上の魔法使い』だ。重い作品は相性がはっきり出るので、先に触れてから決めるのが早い。

「泣ける」と「鬱」はどこが違うのか

12本を並べてみると、この二つの線引きがはっきりしてくる。

泣きゲーは、感情を溜めて、最後に流す。涙と一緒に何かが片づいて、終わったあとには晴れた気持ちが残る。対して鬱ゲーは、溜めたものを流させてくれない。抱えたまま終わり、抱えたまま日常へ戻される。プレイ後にしばらく引きずったという声が12本のあちこちで出てくるのは、そのためだ。

ただし、片方だけの作品ばかりではない。『君が望む永遠』は鬱ゲーの代表として名前が挙がりながら、泣いたという声も同じくらい多い。『マブラヴ オルタネイティヴ』は号泣したという言葉と、しばらく引きずったという言葉が並んで出てくる。『キラ☆キラ』に至っては、重い内容なのに終わったあとは晴れやかだと語られる。感情を根こそぎ動かす作品は、たいてい両方の顔を持っている。

重さを求めて検索している人にとって、それは短所ではない。むしろ、そこまで揺さぶられる作品はそう多くないという話だ。この12本は、どれもその数少ないほうに入る。