この記事で扱う10本
賞の呼び名は開催年によって異なる。2009年は「純愛系作品賞金賞」、それ以降は「純愛系作品賞」の名称で贈られている。同じ年に複数の作品が受賞している回もあるため、年が重なる並びがある。
| 年 | 受賞 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 2009 | 純愛系作品賞金賞 | さくらさくら | ハイクオソフト |
| 2014 | 純愛系作品賞 | 月に寄りそう乙女の作法2 | Navel |
| 2016 | 純愛系作品賞 | 銀色、遥か | tone work’s |
| 2020 | 純愛系作品賞 | 放課後シンデレラ | HOOKSOFT |
| 2020 | 純愛系作品賞 | アマカノ2 | あざらしそふと |
| 2022 | 純愛系作品賞 | 放課後シンデレラ2 | HOOKSOFT |
| 2023 | 純愛系作品賞 | アマカノ2+ | あざらしそふと |
| 2023 | 純愛系作品賞 | 恋にはあまえが必要です | HOOKSOFT |
| 2025 | 純愛系作品賞 | アマカノ3 | あざらしそふと |
| 2025 | 純愛系作品賞 | 恋愛、はじめまして | ASa Project |
2009年 純愛系作品賞金賞|さくらさくら
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2009 純愛系作品賞金賞 |
| ブランド | ハイクオソフト |
| FANZA配信日 | 2014-03-28 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/キャラクターがいい/デモ・体験版あり/ラブコメ/三角関係/世界観がいい/女教師/学園もの/幼なじみ/恋愛/萌えるゲーム/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | さくらさくら【萌えゲーアワード2009 純愛系作品賞金賞受賞】 |
学園を舞台に、作品名のとおり同じ「さくら」の名を持つ二人のヒロインとの三角関係を描くラブコメだ。片方は学校の教師で、ジャンル表記の「女教師」がその立ち位置を示している。名称が萌えゲーアワードに変わった最初の年、その純愛系作品賞金賞を受けた。
三角関係と聞いて身構える必要はない。ここで描かれるのは修羅場ではなく、二人が互いに焼きもちを妬く姿だ。関係がこじれて重くなる方向へは進まず、嫉妬すらかわいらしさに変えてしまうのが本作の作り方で、そこを名指しで褒める声が並ぶ。日常の場面は軽やかに進み、笑わせにくる場面の精度も高い。どちらを選ぶのかという緊張を残したまま、明るい空気を保って走り切る。
支持の中心にいるのは、やはり二人のヒロインである。加えて、周囲の同級生や男性キャラクターまで魅力的だという声が重なり、笑いの質、音楽、演出を挙げる人もいる。懐かしさとおかしみ、それにわずかな胸の痛みが同居する青春ものとして、長く名前が残ってきた作品だ。
こんな人に向く:明るい学園ラブコメを求める人、嫉妬や焼きもちのやり取りを楽しみたい人。
2014年 純愛系作品賞|月に寄りそう乙女の作法2
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2014 純愛系作品賞 |
| ブランド | Navel |
| FANZA配信日 | 2015-04-17 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/Windows10対応作品/お嬢様・令嬢/キャラクターがいい/シナリオがいい/デモ・体験版あり/メイド/世界観がいい/主従/女装・男の娘/学園もの/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | 【つり乙】『月に寄りそう乙女の作法2』-FullVoice Edition-【萌えゲーアワード2014 純愛系作品賞受賞】 |
「つり乙」の略称で親しまれるNavelのシリーズ、その2作目にあたる。設定と世界は前作から引き継がれ、服飾を学ぶ名門校を舞台に、女装して通う新しい主人公が物語の中心に立つ。前作『月に寄りそう乙女の作法』は2013年の大賞受賞作で、本作は翌年の純愛系作品賞を受けた。商品名にあるとおり、フルボイス版として配信されている。
前作の主人公とは正反対で、本作の主人公は物語の入口の時点ですでに強い。自分の立場にも能力にも迷いがなく、その自負が最初は角のある態度になって表に出る。だから本作は、愛されて変わっていく話ではなく、高いところから始まった人物が周囲とぶつかって考えを改めていく成長の物語になる。この主人公を受け入れられるかどうかが最初の関門で、そこを抜けたとたんに評価が反転し、好きになったと語る人が続く。
評価はヒロイン、物語、主人公のいずれにも集まっている。とくに個別の物語へ入る前、全員が揃っている場面の会話が面白いという声が重なる。前作を知っているほど反応できる仕掛けが随所に置かれ、文章や絵、声の演技を挙げる人もいて、笑いと涙の両方に触れる感想が並ぶ。前作を通ってきた人ほど、受け取れるものが大きい一本だ。
こんな人に向く:『月に寄りそう乙女の作法』をプレイし終えている人、主人公の成長を追う物語が好きな人。
シリーズの順番:『月に寄りそう乙女の作法』→本作。前作は2013年の大賞受賞作で、姉妹記事にあたる歴代大賞の記事でも扱っている。順にたどるなら前作からになる。
2016年 純愛系作品賞|銀色、遥か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2016 純愛系作品賞 |
| ブランド | tone work’s |
| FANZA配信日 | 2018-04-13 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/Windows10対応作品/Windows11対応作品/シナリオがいい/デモ・体験版あり/フェラチオ/世界観がいい/中出し/冬が舞台のゲーム/制服/同棲/学園もの/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品/音楽がいい |
| FANZA商品名 | 銀色、遥か【萌えゲーアワード2016 純愛系作品賞 受賞】 |
雪の降る街を舞台に、一人のヒロインとの十年ほどを追いかける恋愛作品だ。物語は中学編・学園編・アフター編の三部構成で進み、知り合った日から結ばれるまで、そしてその先の暮らしまでが一続きになっている。2016年の純愛系作品賞を受けた。
起きるのは劇的な事件ではない。進学し、悩み、支え合い、二人で歩幅を合わせていく。その積み重ねが本編そのものである。特別ではない人生を特別なものとして描き切ったところが本作の芯で、平坦になりそうな時間を丁寧さで持たせている。挿入歌が流れる場面の呼吸や、年代が切り替わる間の取り方を褒める声が重なるのも、静かな時間を支える設計があるからだ。
語られているのは、まず物語と、その丁寧さである。雪景色の美しさ、音楽と歌、声の演技を挙げる声が続く。一人のヒロインを最後まで見届けるのに相応の時間がかかる長編で、その分だけ十年の重みがそのまま返ってくる。派手さのかわりに、穏やかで人に優しい空気を最後まで保ち続ける一本だ。
こんな人に向く:恋人になってからの時間まで描く作品を求める人、腰を据えて長編に浸りたい人。
2020年 純愛系作品賞|放課後シンデレラ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2020 純愛系作品賞 |
| ブランド | HOOKSOFT |
| FANZA配信日 | 2020-10-23 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/DL版独占販売/Windows10対応作品/Windows11対応作品/キャラクターがいい/ギャグ・コメディ/デモ・体験版あり/ブラウザ対応/初心者おすすめ/制服/学園もの/幼なじみ/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | 放課後シンデレラ【萌えゲーアワード2020 純愛系作品賞 受賞】 |
放課後という時間に舞台を絞った学園ラブコメだ。授業が終わってから、気になる相手と一緒に帰る。その繰り返しのなかで距離が縮まっていく過程を追いかける。ブランドの20周年を飾る一本として迎えられ、2020年の純愛系作品賞を受けた。
特徴は、恋愛の進み方をプレイヤーが選べるところにある。誰と帰るか、相手にどう応じるかを一つずつ決めていくため、選択そのものに手応えがある。恋愛シミュレーションとしての完成度を評価する声は、ここに向いている。
支持は圧倒的にヒロインたちへ向かう。誰か一人が突出しているというより、どの相手にも見せ場があり、順位をつけられないという声が並ぶ。会話の面白さや声の演技を挙げる人も重なる。嫌な思いをさせる人物が出てこないこと、笑いと甘さのバランスが崩れないことが繰り返し語られ、最後まで気分よく進む。ジャンル表記の「初心者おすすめ」のとおり、最初の1本にも選びやすい。
こんな人に向く:明るいラブコメで気持ちよく笑いたい人、この分野で最初の1本を選びたい人。
シリーズの順番:本作はシリーズの1作目で、続編『放課後シンデレラ2』(2022年)もこの記事で扱っている。なお本作には『放課後シンデレラFull HD Remaster』があり、旧版と並んで配信されている。後日談を収めたミニファンディスクも別途配信されている。
2020年 純愛系作品賞|アマカノ2
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2020 純愛系作品賞 |
| ブランド | あざらしそふと |
| FANZA配信日 | 2020-04-24 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/DL版独占販売/Windows10対応作品/キャラクターがいい/シナリオがいい/デモ・体験版あり/世界観がいい/制服/学園もの/巨乳/幼なじみ/恋愛/演出がいい/秋が舞台のゲーム/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品/音楽がいい |
| FANZA商品名 | アマカノ2【萌えゲーアワード2020 純愛系作品賞 受賞】 |
あざらしそふとの『アマカノ』シリーズに連なる恋愛作品だ。秋から冬へ移り変わる季節を背景に、三人のヒロインとの恋を描く。2020年の純愛系作品賞を受けた。
事件らしい事件は起こらない。まだ何でもない距離から始まり、告白を経て、恋人になったあとも二人で少しずつ変わっていく。その過程だけをひたすら丁寧に描くのが本作の狙いだ。季節が進むのに合わせて、ヒロインの表情も距離の取り方も動いていく。時間をかけて進めるほど手応えが出る作りで、心理描写の細やかさを挙げる声が重なる。
評価はヒロインの魅力と絵の美しさに集まり、そこへ物語、演出、音楽が続く。主人公が迷わず動くので話が気持ちよく進むという声もある。一人と結ばれたあと、次の相手へ気持ちを切り替えづらくなるほど情が移る作りでもある。甘さの純度で選ぶなら、この分野でも上位に挙がる一本だ。
こんな人に向く:季節の空気ごと恋愛に浸りたい人、絵と演出まで含めて味わいたい人。
シリーズの順番:シリーズの1作目は『アマカノ』で、本作は「2」を冠する作品にあたる。この記事では、続く『アマカノ2+』(2023年)と『アマカノ3』(2025年)も扱っている。
2022年 純愛系作品賞|放課後シンデレラ2
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2022 純愛系作品賞/萌えゲーアワード2022 9月月間賞 |
| ブランド | HOOKSOFT |
| FANZA配信日 | 2022-11-18 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/DL版独占販売/Windows10対応作品/Windows11対応作品/キャラクターがいい/ギャグ・コメディ/デモ・体験版あり/ブラウザ対応/初心者おすすめ/制服/学園もの/幼なじみ/恋愛/萌えるゲーム/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品/黒髪 |
| FANZA商品名 | 放課後シンデレラ2【萌えゲーアワード2022 純愛系作品賞 受賞】【萌えゲーアワード2022 9月月間賞 受賞】 |
『放課後シンデレラ』に続く2作目だ。放課後にヒロインと過ごすというコンセプトはそのままに、新しい顔ぶれとの恋愛を描く。2022年の純愛系作品賞と、9月の月間賞を受けている。
本作のヒロインは、言葉を交わすほど印象が変わっていく。見た目や第一印象から想像する人物像と、中身がずれているのだ。性格を掘り下げる構成は前作より踏み込んでいて、その落差に惹かれたという声が重なる。放課後という時間そのもののときめきも、より強く押し出されている。教室の面々の掛け合いも前作から続いており、日常会話の面白さは途切れていない。
評価はヒロインたちの魅力に集まり、物語やサブキャラクター、システム面の作り込みを挙げる声も見られる。演出が新しくなったところに、続編としての手の入れ方が表れている。明るい掛け合いで進む前作の持ち味は、そのまま本作にも引き継がれている。
こんな人に向く:『放課後シンデレラ』を楽しんだ人、第一印象から変わっていくヒロインが好きな人。
シリーズの順番:『放課後シンデレラ』→本作。前作を踏まえた内容のため、先に前作から進めたい。前作はこの記事の2020年の項で扱っている。本作にも『放課後シンデレラ2 Full HD Remaster』があり、旧版と並んで配信されている。1作目と2作目をまとめた『放課後シンデレラ1+2 Full HD Remaster』や、後日談のミニファンディスクも配信されている。
2023年 純愛系作品賞|アマカノ2+
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2023 ユーザー支持賞・純愛系作品賞・グラフィック賞/萌えゲーアワード2023 4月月間賞 |
| ブランド | あざらしそふと |
| FANZA配信日 | 2023-04-28 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/DL版独占販売/Windows10対応作品/Windows11対応作品/キャラクターがいい/シナリオがいい/デモ・体験版あり/同棲/夏が舞台のゲーム/学園もの/巨乳/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | アマカノ2+【萌えゲーアワード2023 ユーザー支持賞・純愛系作品賞・グラフィック賞 受賞】【萌えゲーアワード2023 4月月間賞 受賞】 |
『アマカノ2』のファンディスクにあたる一本だ。前作で結ばれた三人のヒロインそれぞれのその後を描き、加えて新しいヒロインが一人用意されている。純愛系作品賞のほかユーザー支持賞とグラフィック賞、さらに4月の月間賞も受け、その年に複数の賞をまとめて獲得した。
続きものである以上、中身は前作で結ばれた相手と過ごす時間そのものだ。恋人として、さらにその先の関係として重ねていく日々を、本編と変わらない密度で描いていく。追加のヒロインも埋め合わせの扱いではなく、既存の三人に見劣りしない一人として据えられた。そこが評価を押し上げている。
支持されているのは、前作から地続きの満足感と絵の完成度だ。グラフィック賞を同時に受けたとおりCGを挙げる声が重なり、エロス面が強くなった点に触れる感想も並ぶ。ファンディスクでありながら、シリーズの集大成として語られる位置に立った一本である。
こんな人に向く:『アマカノ2』を気に入った人、結ばれたあとの生活まで見届けたい人。
シリーズの順番:『アマカノ2』→本作。本編の続きにあたるため、先に『アマカノ2』から進めたい。『アマカノ2』はこの記事の2020年の項で扱っており、2本をまとめた『アマカノ2セット』も配信されている。
2023年 純愛系作品賞|恋にはあまえが必要です
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2023 純愛系作品賞/萌えゲーアワード2023 3月月間賞 |
| ブランド | HOOKSOFT |
| FANZA配信日 | 2023-03-31 |
| ジャンル表記(FANZA) | DL版独占販売/Windows10対応作品/Windows11対応作品/お嬢様・令嬢/デモ・体験版あり/ブラウザ対応/ラブコメ/学園もの/幼なじみ/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | 恋にはあまえが必要です【萌えゲーアワード2023 純愛系作品賞 受賞】【萌えゲーアワード2023 3月月間賞 受賞】 |
作品名のとおり、甘えることを軸に置いた学園ラブコメだ。ジャンル表記の「お嬢様・令嬢」「幼なじみ」が示す顔ぶれのヒロインたちと、出会い、仲良くなり、付き合うまでを追いかける。2023年の純愛系作品賞と、3月の月間賞を受けている。
構成に特徴がある。付き合うところで話を終わらせず、恋人になってからのエピソードまで用意されているため、距離が縮まっていく過程と、縮まったあとの関係を続けて味わえる。ヒロインの側から心の動きを見せる場面が多いのも本作の作りで、相手が何を思っているのかが伝わってくるという声も重なる。
評価はヒロインたちの可愛らしさに集まっている。突き抜けた仕掛けで驚かせにくるのではなく、甘い時間に水を差す要素を置かない。奇をてらわない恋愛ものの見本として語られており、ヒロインのデザインや、主人公の受け答えの心地よさを挙げる人もいる。
こんな人に向く:ヒロインとの距離が近いラブコメを求める人、付き合ったあとの話まで味わいたい人。
2025年 純愛系作品賞|アマカノ3
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2025 純愛系作品賞・エロゲ屋さん賞・FANZA GAMES賞 |
| ブランド | あざらしそふと |
| FANZA配信日 | 2025-09-26 |
| ジャンル表記(FANZA) | 2025/9/26 配信開始作品/CGがいい/DL版独占販売/Windows11対応作品/お嬢様・令嬢/デモ・体験版あり/メイド/ラブコメ/女子校生/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | アマカノ3【萌えゲーアワード2025 純愛系作品賞・エロゲ屋さん賞・FANZA GAMES賞 受賞】 |
あざらしそふとの『アマカノ』シリーズで、「3」を冠する作品にあたる。主人公は祖母の営む女子寮を手伝う立場に置かれ、そこで暮らす少女たちと出会う。ヒロインたちはそれぞれ将来の夢を持っていて、その行方に付き合っていくことになる。2025年の純愛系作品賞に加えて、エロゲ屋さん賞とFANZA GAMES賞も受けている。
舞台も主人公の立場も、これまでのシリーズから変えてきた。恋に至るまでの過程を細かく描くという芯は残したまま、ヒロインの造形には二面性を持ち込み、表向きの顔と本当の姿の落差で引き込む。シリーズを追ってきた人からは新しい方向への挑戦として受け止められ、初めて触れた人からは単独で十分楽しめたという声が挙がっている。
評価の柱は、まずヒロインの魅力と絵の美しさだ。見せ場での演出の作り込みが続き、とくに告白の場面を挙げる声が重なる。音楽や主人公への言及も続く。エロス面の手応えを語る感想も加わり、そちらの評価と恋愛描写の評価が同時に立っている。シリーズを重ねてきた強みが、絵と演出の仕上がりにそのまま出ている。
こんな人に向く:絵の美しさで選びたい人、シリーズの新しい一本から近年の空気を味わいたい人。
シリーズの順番:シリーズの1作目は『アマカノ』。この記事では『アマカノ2』(2020年)と『アマカノ2+』(2023年)も扱っている。本作はシリーズを初めて手に取った人からも単独で楽しめたという声があり、ここから入ることもできる。
2025年 純愛系作品賞|恋愛、はじめまして
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞 | 萌えゲーアワード2025 純愛系作品賞 |
| ブランド | ASa Project |
| FANZA配信日 | 2025-02-28 |
| ジャンル表記(FANZA) | CGがいい/DL版独占販売/Windows10対応作品/Windows11対応作品/デモ・体験版あり/ラブコメ/制服/天使っ娘/学園もの/恋愛/萌えゲーアワード/美少女ゲームアワード受賞作品 |
| FANZA商品名 | 恋愛、はじめまして【萌えゲーアワード2025 純愛系作品賞 受賞】 |
『コイバナ恋愛』でシナリオ賞を受けたASa Projectの学園ラブコメだ。地味なまま高校生活を送ってきた主人公の前に、天使を名乗る少女が現れる。その導きで恋愛に踏み出し、取りこぼしてきた青春を追いかけ直す、というのが話の起点である。2025年の純愛系作品賞を受けた。
主人公は最初から強い人物ではない。友情と恋愛を通って少しずつ変わっていく、まっすぐな成長の物語として組まれている。とはいえ湿っぽくはならず、ブランドらしいハイテンションな掛け合いが最後まで続く。甘い場面に入っても軽口が飛び交い続けるので、笑いどころが途切れない。そのうえで、要所では真面目な顔も見せてくる。明るさ一色ではない緩急が、この作品を賑やかなだけのラブコメで終わらせていない。
評価はヒロインたちと会話の面白さに集まる。ヒロイン以外の登場人物にもそれぞれ持ち味があるという声が重なり、相手ごとの個性がはっきり分かれていること、選んだあとの物語の出来がいいことが語られる。長すぎない尺で駆け抜けるため途中でだれないのも、支持されている点だ。なお、攻略の順番としては、天使のヒロインを最後に回すと収まりがいい。
こんな人に向く:会話の楽しさごと恋愛を味わいたい人、明るい青春ものを近年の作品から探している人。
どれからプレイするか
この分野で最初の1本を選ぶなら
2020年『放課後シンデレラ』。ジャンル表記に「初心者おすすめ」があり、放課後に一緒に帰るという分かりやすい枠組みで、明るいまま最後まで進む。
笑いながら恋愛を楽しみたいなら
2009年『さくらさくら』、2020年『放課後シンデレラ』、2025年『恋愛、はじめまして』。いずれも掛け合いの面白さが支持の柱で、重い展開に沈まない。
恋人になったあとまで見届けたいなら
2016年『銀色、遥か』、2023年『アマカノ2+』、2023年『恋にはあまえが必要です』。付き合うところで話を終わらせず、その先の時間に尺を割いている3本だ。
恋に落ちるまでの過程をじっくり味わいたいなら
2020年『アマカノ2』と2025年『アマカノ3』。好きになっていく過程の描写の細かさが、このシリーズの持ち味である。
主人公の成長も一緒に追いたいなら
2014年『月に寄りそう乙女の作法2』と2025年『恋愛、はじめまして』。どちらも恋愛と並行して、主人公自身が変わっていく物語になっている。
絵と演出で選ぶなら
2020年『アマカノ2』、2023年『アマカノ2+』、2025年『アマカノ3』。あざらしそふとの3本は絵への評価が厚く、『アマカノ2+』はグラフィック賞も受けている。
シリーズを気にせず1本で完結させたいなら
2009年『さくらさくら』、2016年『銀色、遥か』、2020年『放課後シンデレラ』、2023年『恋にはあまえが必要です』、2025年『恋愛、はじめまして』。『放課後シンデレラ』には続編があるが、1作目なのでここから始められる。
プレイする順番があるもの
2014年『月に寄りそう乙女の作法2』は、2013年の大賞受賞作『月に寄りそう乙女の作法』に続く2作目だ。2022年『放課後シンデレラ2』は2020年『放課後シンデレラ』を踏まえた内容のため、先に前作から進めたい。2023年『アマカノ2+』は2020年『アマカノ2』のファンディスクなので、本編の後になる。『アマカノ2』と2025年『アマカノ3』も、1作目『アマカノ』から続くシリーズにあたる。前作へのリンクは、それぞれの紹介欄に載せている。
新しい版があるもの
2020年『放課後シンデレラ』と2022年『放課後シンデレラ2』には、それぞれFull HD Remaster版がある。いずれも旧版と並んで配信されており、2本をまとめた『放課後シンデレラ1+2 Full HD Remaster』もある。
体験版を試すなら
この記事で扱う10本すべてに体験版がある。迷ったら試してから決めるのもいい。
純愛系作品賞は、何で選ばれているのか
大賞は、絵も音楽もキャラクターも含めた総合力でその年の頂点に立った作品に贈られる。シナリオ賞は、物語という一点で選ばれた作品の賞だ。それに対して純愛系作品賞は、恋愛をどう描いたかで選ばれる。
並んだ10本を見ると、その違いがはっきり出ている。ここにあるのは、大きな事件で人生が一変する話ではない。放課後に一緒に帰る、季節が移り変わる、進学して社会に出る。そうした地続きの時間のなかで相手を好きになり、距離を詰め、恋人になり、その先も一緒にいる。何が起きるかではなく、気持ちがどう動くかを描き切ったことに賞が贈られている。プレイし終えたあとに残るのは、衝撃よりも穏やかな満足感である。
姉妹記事の「名作エロゲ11本」と「シナリオが強いエロゲ18本」には、終盤で大きく感情を動かす作品が多く並んだ。重い物語に浸りたい日はそちらを、気持ちよく恋愛だけを味わいたい日はこの記事を入り口にしてほしい。同じ萌えゲーアワードでも、賞が変われば並ぶ作品はここまで変わる。